代官山の薔薇で叶える、選ぶ愉しみのオーダーメイド

代官山の坂を上ると、

薔薇の名を冠した一軒家が静かに灯っていた。

テーブルに並ぶのは、料理のメニューではなく、

氷の上で艶めく旬の食材たち。

その日、何を選ぶかで、物語の味が変わる

ここ「THE ROSE」は、食材から始まるイタリアンだ。

まず運ばれるのは、旬の恵みが並ぶトレー。

魚介、肉、野菜、それぞれの香りを確かめながら、

スタッフが一つひとつ丁寧に提案してくれる。

毛蟹で軽やかなペペロンチーノを、

メインにはラムの炭火焼きを。

そんな“わがまま”が叶うのがこの店の醍醐味。

噛むたびに香ばしさと旨味が重なり、

ワインの酸がその余韻をやさしく洗う。

ミルクパンとトリュフバターは定番の人気。

前菜は鯛のカルパッチョ、温菜にはアクアパッツァ、

仕上げに紅茶ブリュレを添えたドルチェで幕を閉じる。

一皿ごとに、選んだ人の個性が滲む。

渋谷と代官山のちょうど中間。

緑の残る通り沿いに建つ白い邸宅。

1階から3階まで用途の異なる空間が広がり、

カウンターで語る夜も、

個室で祝う記念日も似合う。

照明は柔らかく、

グラス越しの光が肌に溶けるよう。

テーブルを包む穏やかなBGM、

スタッフの距離感の心地よさ。

“特別”なのに、気取りすぎない。

それがTHE ROSEらしさだ。

誕生日や記念日だけでなく、

静かな夜を贈りたいときにも訪れたい。

ペットと一緒に食事ができる1階、

接待にも使える貸切個室。

小さな子ども連れでも安心して過ごせるよう、

階段利用の配慮も丁寧に説明してくれる。

「大切な人と過ごす時間を、

　料理で形にしたい」

そんな想いを感じるおもてなしがある。

最寄り駅から徒歩10分ほど。

夜風を感じながらの散歩が、

食前のアペリティフになる。

OMAKASEコースは6品で8,800円前後。

食材によって追加料金が発生するが、

その分だけ、体験は特別になる。

予約は早めに。

週末や記念日は特に人気で、

夜の部は満席になることも多い。

日中は2,000〜3,000円でランチも楽しめる。

昼の光に包まれた薔薇の邸宅は、

また違う表情を見せてくれる。

同じコースを頼んでも、

選ぶ素材も、香りも、余韻も変わる。

ここでは「食べること」が体験になり、

その人の“今”が皿に映る。

次に訪れるとき、どんな味に出会えるだろう。

そう思わせてくれる一軒が、代官山にある。