
銀座の夜を静かに染める、灰の香とスパイスの余韻
薄く煙る夜の銀座。
ビルの11階まで上がると、空気が少し柔らかく変わる。
透明な氷が静かに沈むグラスの奥で、スパイスの香りが小さく揺れた。
「THE GREY ROOM」。
名の通り、色を削ぎ落とした空間に、時間の輪郭だけが残る。
グレーの壁面と金属の照明。
ここでは、言葉よりも温度と香りが先に届く。
“スパイスミクソロジー”をテーマにしたカクテルや、
インディアンウイスキー〈アムルット〉が静かに息づく。

琥珀がほどける夜、アムルットが語る灰の余韻
香りが層をなし、氷の透明が時間を遅くする。
インディアンウイスキー〈アムルット〉をソーダで割ると、
南の風のようなスパイスの甘さとアイラ系の煙香が交差する。
ピートの苦みが口の奥に広がり、氷の角がやがて丸く融けていく。
「フュージョン」は売り切れでも、
「ピート」や「インディアンシングルモルト」で十分に旅が始まる。
口コミでも語られるのは“氷の透明さ”。
その清冽さが、ウイスキーの香りを一段と引き立てる。
グレーに沈む灯、テラスの風が運ぶスパイス
夜景と風が調和し、銀座の喧騒が遠ざかる瞬間。
窓際のカウンター越しに、ネオンがゆっくり流れていく。
テラスに出れば、加熱式の煙が細く伸び、
グラスの琥珀とともに夜が深まる。

照明は低く、音楽は揺らぎの少ないエレクトロ。
温度も声も抑えめで、隣の会話がほどよく溶ける距離感。
「静けさ」を味わうための設計が、ここにはある。
午後の光、グレーがミルクティー色に変わる
アフタヌーンティーでは香りの層がやわらかく重なる。
昼は“静寂のティーラウンジ”としての顔を持つ。
繊細なスイーツとセイボリーが並ぶスタンドは、
まるで美術館の展示品のよう。

茶葉の香り、スパイスの陰影、皿の温度。
スタッフの所作に流れる“間”までもが、味の一部となる。
非日常を求めて訪れる人々が、このグレーに色を足していく。
予約は夜の扉を開く鍵
訪問は週末夜が狙い目、ただし予約が確実。
週末20時を過ぎてもカウンター数席のみ。
人気の理由は、空間の余白とサービスの密度。
ソムリエが控える姿勢も、言葉少なに信頼を添える。
チャージ10%、それでも高い満足感。
西銀座駐車場直結で、アクセスの煩わしさもない。
記念日や、静かに語りたい夜にちょうどいい。
灰の静けさが心に残る
記憶を冷やすように、再訪の欲が静かに灯る。
“また行きたい”という声が多いのは、
香りよりも“空気”を記憶してしまうから。
スパイスと灰のあいだに漂う温度。
それが、銀座の夜をやさしく包む。
| 店名 | THE GREY ROOM |
| 住所 | 東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 11F |
| ジャンル | バー/カフェ/ダイニングバー |
| 営業時間 | 火〜金 18:00〜1:00(L.O.0:00)/土日祝 12:00〜16:00・18:00〜1:00 |
| 定休日 | 月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休) |
| 予算 | ¥4,000〜¥5,999 |
| アクセス | 銀座駅徒歩3分、有楽町駅徒歩5分 |
| チャージ料 | サービス料10% |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/thegreyroom_ginza |
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