
銀座地下、妖精の楽園で泡が舞う夜
重厚な鉄の扉を押した瞬間、
現実がふっと静止した。
階段の先から漂うのは、焙煎豆とカカオの香り。
灯りの届かぬ地下で、妖精たちの影がゆらめいているようだった。
銀座の夜にひっそりと隠れた、幻想の国――
それが「ティル・ナ・ノーグ」。
ケルト神話に登場する“不老不死の楽園”の名を冠した、
カフェ&カクテルバーだ。
泡の上で踊る妖精、グラスに宿る魔法
テーブルに置かれたグラスは、
まるで小さな劇場のようだった。
人気カクテル〈Heaven Lonely Flows〉は、
綿あめの雲をまとった幻想的な一杯。
下からライトが照らされ、ゆっくりと溶けていく泡の粒に
光が反射して妖精が舞っているように見える。
「ベルガモット・スリエント」は柑橘の香りとほろ苦さの余韻が心地よく、
〈ザ・マリッジ・オブ・フィガロ〉はチョコレートとエスプレッソが重なり、
夜の甘い魔法を紡ぐ。
泡のひとつひとつが、
まるでフェアリーダストのように煌めいていた。
銀座の地下に広がる、異世界の夜
階段を下るたびに、音が変わる。
地上の喧騒が遠のき、代わりにAORの柔らかな旋律――
ボビー・コールドウェルやスティーリー・ダンが
深夜の空気をやさしく包み込む。
鉄細工の妖精が並ぶ棚、
琥珀色の照明に浮かぶワイングラス、
壁に映る影がゆらぎ、時間の感覚が少しずつ溶けていく。
「異世界転生」という言葉が冗談でなくなる。
ここでは、妖精も記憶も、
光の粒に変わって静かに漂っているのだ。
デートにも、一人時間にも。
店内には、ソファ席、カウンター、
そして妖精が座っていそうなカップルシート。
平日の夜は意外と空いており、
カウンターで静かにグラスを傾ける人が多い。
週末は予約がベター。
昼間はカフェとして営業しており、
バスクチーズケーキやスイーツも人気。
“異世界カフェ”として訪れる人も多いという。
非日常を味わいたい夜、
現実から少しだけ距離を置きたい夜、
この場所はきっと、記憶の中で長く灯り続ける。
訪問のコツ
- ・チャージ料:昼 ¥500/夜 ¥1,000
- ・人気の幻想カクテルは早めの時間に注文を
- ・暗めの照明なので、撮影はライトの角度を意識
- ・平日夜が狙い目(週末は満席率高)
「飲む」というより「浸る」。
そんな言葉がふさわしい。
グラスの中の光が消えても、
心の奥でまだ、妖精が舞っている。
記憶に残る非日常、銀座の夜の扉
一度この扉を開けた人は、
きっとまた戻ってくる。
泡の上に座る妖精、
綿あめの光、鉄の装飾、
すべてが“日常の外側”を見せてくれる。
銀座の地下にあるこの楽園で、
大人たちは再び、夢を見る。
| 店名 | ティル・ナ・ノーグ |
| 住所 | 東京都中央区銀座5-9-5 チアーズ銀座 B1F |
| ジャンル | バー/カフェ |
| 営業時間 | 月〜土 11:00〜04:00/日 11:00〜23:00 |
| 定休日 | 年末年始(12/30〜1/4) |
| 予算 | ¥2,000〜¥4,999 |
| チャージ料 | 昼500円/夜1,000円 |
| アクセス | 銀座駅A5出口徒歩4分/東銀座駅徒歩3分 |
| 公式サイト | https://www.tirnanog-ginza.com |
| https://www.instagram.com/tirnanog_ginza |
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